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臨床・学術セミナー
一般社団法人 日本接着歯学会 2024年度 学術セミナー・専門医認定研修会
専門医認定研修会とはあくまで本学会の接着歯科治療専門医の単位認定がなされる認定研修会であり、(一社)日本歯科専門医機構の認定を受けたものではございません。そのため、(一社)日本歯科専門医機構の単位とはなりません。
テーマ | PEEK修復ーいま、わかっていること |
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日時 | 2024年6月2日(日)15:30~17:00 |
開催形式 | 鶴見大学記念館 第3講堂・現地開催 |
講師 | 二瓶智太郎(神奈川歯科大学教授、日本接着歯学会副理事長) 新谷明一(日本歯科大学教授、日本接着歯学会代議員) |
プログラム | 「ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)ブロックの基礎物性と接着システムについて」 2014年から歯科用CAD/CAMシステムによるコンポジットレジンブロックを使用した小臼歯部歯冠修復が保険収載されたことを始まりとして,大臼歯部,前歯部と順次適用拡大されてきたことよる歯冠修復材料の選択肢に大きく変革が生じている.2023年12月にはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)もCAD/CAM冠用材料(Ⅴ)として条件なしで大臼歯部に保険収載され,これですべての歯にノンメタルでの歯冠修復処置が可能となったことは,受診する患者にとっては有用であるが,術者側としては材料の選択に迷いを生じさせてしまうところもある.スーパーエンジニアリングプラスチックであるPEEKは2019年に薬事承認され,歯科材料として登場した.PEEKは芳香族ポリエーテルケトン樹脂の一種で,結晶性の熱可塑性樹脂に属し,高い融点およびガラス転移点を有し,優れた耐熱性と靭性,高い衝撃吸収性,そして優れた生体親和性ならびに低い吸水性などの特徴がある.一方,透光性が低いため審美性の観点から用途は限られると思われる. PEEKに対する接着は,ブロックを販売しているメーカーよりプライマーやレジンセメントが“一応”指定されている.CAD/CAM冠用コンポジットレジンブロックはシリカフィラー含有であるためシラン処理は可能であるが,PEEKに含まれているのは20wt%の酸化チタンフィラーであるため,シラン処理が有効な被着面処理となるか不明である.また,PEEK自体が非常に安定した樹脂であるため,現時点では化学的な結合を得るための有効な被着面処理も明らかになっていない.そのため,臨床の現場からは装着術式の確立が求められている. PEEK製歯冠修復装置は未だ様々な疑問を多く有するが,今回の学術セミナーでは今わかっていることとして,PEEKの基礎物性とレジンセメントとの接着性について報告する. |
会費 | 会員・非会員いずれも無料 |