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学会紹介

理事長挨拶

スタンダードが臨床に生かされる!長期予後を目指して!

理事長

このたび,坪田有史前理事長の後を受け,令和6~ 7(2024~2025)年度の理事長を拝命いたしました
二瓶智太郎です.

日本接着歯学会は発足して40年を越す歴史ある日本歯科医学会専門分科会の一つとして発展してきました.昨年度は大会校として学術大会開催と発足40周年記念式典に携われたことは非常に光栄であり,またご参加いただきました皆様に感謝いたします.

さて,私が本会に入会したのは1991年5月で,まだ歯科医師として足を踏み出したばかりの頃でした.歯科治療は材料がなければ成り立たない医療であり,歯に接着する材料も少ないことから,少し勉強してみようと思い,母校の保存修復学講座に入局し,そして本会に入会した記憶があります.当時は象牙質接着に関する研究が盛んで,現在の歯質接着システムの構築は学生教育を通じて肌で感じていました.私の研究は歯質接着ではなく,シランカップリング層の耐水性向上を目指したテーマで,コンポジットレジンのフィラー処理層の耐水性が得られれば,臨床においてもコンポジットレジンの耐久性も向上するであろうと言う仮説で進めていました.学会発表時にはメーカーの研究者の方々の質問ばかりで勉強させていただきました.今では,オールセラミッククラウンやCAD/CAMレジン冠など,内面処理でシランカップリング剤を使用する機会が増え,一般的になりましたので,ドクターからのご質問も多くなってきたと感じます.

この度の理事長就任に際して,「スタンダードが臨床に生かされる!長期予後を目指して!」というキャッチフレーズを掲げました.現在の歯科診療も材料を用いての治療が必然となっており,特に歯冠修復処置は残存歯質との一体化が図れなければ機能面において使用することが出来ません.まさに歯質との一体化には接着技術が不可欠であり,患者様の長期に亘る健康維持に欠かせません.近年は,さまざまな歯科材料が使用され,それぞれの材質により前処理法やプライマーの種類も異なっており,操作法も煩雑にはなりますが,基本的な操作を遵守することが臨床においても長期予後に影響すると考えられます.引き続き歯科医療関係者ならびに国民に歯科医療での接着歯学の重要性を啓発したいと存じます.

また,2024~2025年度の本会の事業を支える委員会を1つ増やし14として,また7名の新理事に入れ替わりますが,人材育成と円滑な学会運営に尽くす所存です.

2年間の任期中にできることには限りがありますが,学会として進むべき方向性を見出して行きたいと考えておりますので,会員の皆様のお力添えを賜りますよう宜しくお願い申し上げます.

2024年6月10日
理事長 二瓶智太郎

  • 保険収載された象牙質レジンコーティング法の診療指針

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