本文へジャンプ

歯科接着とは?&接着治療法

歯科接着の歴史

第二次世界大戦終結(1945年)までの日本の歯科医療では、虫歯(う蝕歯)をつめること、歯の神経をとる、歯を抜く、あるいは入れ歯をつくるなどによる治療が主に行われてきました。その後、米国の歯学の影響を受け、日本の歯科医療は大きく変化しました。また、高速で歯を削る技術の導入と金属のかぶせものを高い精度でつくることができるようになりました(鋳造金属冠)。

このような時代を迎えても、虫歯の悪いところを削ってつめる材料(充填修復材料)は相変わらず歯に接着しない非接着性のままでした。

1965年に、虫歯につめる材料として歯の色に近い材料(コンポジットレジン)が出現しましたが、コンポジットレジンで処置された歯が「しみる」「痛い」などの症状が起こる場合がありました。このような症状は歯とコンポジットレジンとの接合面が接着していなかったためにおこること(辺縁漏洩・へんえんろうえい)が元凶であることが次第に明らかになってきました。

歯には表層にあるエナメル質とその内側にある象牙質があります。虫歯進行するとエナメル質から内側の象牙質に及び、その結果「しみる」「痛い」という症状としてあらわれます。さら虫歯が進み歯の神経に達すると「強い痛み」がでて、歯の神経をとることとなります。1977年、日本のメーカーから歯のエナメル質・象牙質の両方に接着するコンポジットレジンが登場しました。それまで様々な研究が行われてきましたが、この材料の出現により象牙質接着は本格的に幕を開けたといっても過言ではありません。さらに研究・開発は進みました。

現在では、過去煩雑であった歯に接着させる処理操作は簡略化され、しかも接着性能が高い接着性レジンが種々市販され、日常の歯科治療において、様々なケースの患者さんに対して、確かな治療するために使用されています。

『接着歯学』日本接着歯学会編 2002.より改変、引用

  • 保険収載された象牙質レジンコーティング法の診療指針

ページの先頭へ戻る