本文へジャンプ

学会紹介

理事長挨拶

時の流れの中で輝く日本接着歯学会を目指して

理事長

“時の流れ”は、太古の昔からただの一度も止まることなく、また決して後戻りすることもなく、すべての事象を受け入れながら、静かに、しかし計り知れないパワーを秘めて、前へ、前へと進んでいます。幸運と苦難が織り込まれた“時の流れ”の中で、私達一人ひとりの力は微力ですが、万事に対し、知恵を出し合い、支え合い、ひた向きに取り組むことによって、有形無形の財産を次世代へと引き渡すことが叶います。2019年9月~11月の中国・武漢が発生源と報告されている新型コロナウイルス感染症という“濁流”は、同じ時代の船に乗り合わせた私達の生活様式を一変させたばかりではなく、感染防止のための社会的施策や自粛によって、世界規模の経済ダメージを生み、人類を未知なる異次元社会へと引き込んでしまったかのようです。しかし、私達はこの“濁流”を乗りこなし、次世代へと“舵”を譲ることが求められています。

本学会は、1983年3月20日に設立された日本接着歯学研究会を源とし、1987年4月25日開催の第5回学術講演会総会(京都)において、日本接着歯学会としての産声を上げ、今年は“働き盛り”の33歳を迎えています。“時の流れ”の中で、同じ志をもつ者が巡り逢い、集い、共に歩み始め、今日の会員は893名(2020年6月31日現在)を数え、世界をリードする接着歯科医学・医療分野の学術組織へと成長しています。増原英一 初代会長から数えて第17代目となる宮崎真至 社団法人第2代理事長から引継ぎを受けたお役目は、大変な重責といえます。

さて、本学会が最も注力すべき対応とは如何なるものでしょうか。「医療とは、これを行う者の為に在るのではなく、これを受ける者の為に在る」という理念の点からは、患者・国民が期待し、願い、求める科学的根拠に基づく医療提供は必須といえましょう。また、本学会の目的について、「定款」を紐解いてみますと、第2条に「接着歯学に関する学問と技術を研究し,接着歯学の進歩発展を図り,歯及び歯列の保存と口腔機能の長期維持を指向した歯科治療を実現することにより,国民の健康及び福祉の向上に寄与する」と記されています。この目的を達成する具体的な目標として、どの様なことが考えられるでしょうか。日本歯科医学会では、「2040年問題」が危惧される20年後の社会を見据え、管掌する専門・認定分科会の全学会に対し達成目標を問い掛け、「2040年への歯科イノベーションロードマップ<健康寿命の延伸>」として取り纏めました。そのマップには、Ⅰ“ 新規検査・技術・治療法”、“Ⅱ 新規材料・機器”、“Ⅲ 健康長寿社会の実現・フレイル対策”の三項目が明示されています。特に項目Ⅱでは、2025年までの期間には「むし歯抑制、歯を強くする機能性材料が実用化される」、2026年~2032年の間には「歯と一体化する修復機能材料が開発される」、2033年~2039年には「歯と一体化する修復治療が一般化する」が挙げられています。これらの探究と臨床応用は、正に本学会が担うべきものであり、会員がそれぞれの立場から少しずつでも“時”を分ち合い、協働しながら、これら目的・目標を目指すことが大切です。

また、学会は会員の“求め”に応じた存在でもあるべきです。したがって、会員の“求め”を積極的に収集し、それらを反映させた魅力溢れる事業や学術プログラムの策定によって、誰しもが入会したくなる、参加したくなる学会に成長させることが重要となります。加えて、患者・国民に対する良質な接着歯科医療の提供を見据え、「専門医制度」の具現化を含めた新たな取り組みも望まれます。さらに、学会はヒトによって構成され、運営され、発展します。したがって、学会としての“ヒト創り”や“システム創り”の良否は、学会の将来を左右することになります。そこで、本学会の活動を司る13委員会それぞれにおいて“ヒト創り”と“システム創り”を図り、明日の学会を担う人材育成と盤石かつ円滑な学会運営を押し進めねばなりません。

永遠に続く“時の流れ”の中で、これからの2年間は一瞬です。しかし“為せば成る。為さねば成らぬ何事も…”です。皆様と共に、“時の流れの中で輝く日本接着歯学会”を目指し、ひた向きに取り組んで参りたく思いますので、お力添えの程、宜しくお願い申し上げます。

2020年7月1日
理事長 奈良陽一郎

  • 「令和2年7月豪雨」罹災への特別措置について
  • 保険収載された象牙質レジンコーティング法の診療指針
  • 学術大会

ページの先頭へ戻る