第1回国際接着歯学会を終えて
大会長 田上 順次
2002年4月19〜21日の日程で、東京赤坂、日本都市センターホテルにおいて、第1回国際接着歯学会を開催することができました。日本接着歯学会の発案で、特に接着歯学に関しては、日本が世界の中心的な存在となり、推進してゆく立場にあるという趣旨のもと、3年間の準備期間を経て実現したものです。内山名誉大会長(日本接着歯学会前会長)のもと、第1回大会長の大任を仰せつかりました。本会の役員の先生方を中心とした実行委員会、本会会員の皆様、また各企業の絶大なるご協力をもちまして、何とか無事大会を終えることができました。心よりお礼申し上げます。ちょうど日本接着歯学会学術大会も第20回大会を迎えるということで、併催という形を取らせていただきました。本会20周年を記念するうえでも、すばらしい企画であったかと思います。
当初参加者数の目標を800名としておりましたが、実行委員会を重ねるうちに、目標が600名となり、さらに縮小すべきではという意見も出るようになりました。結果として参加者は21ヵ国から740名ということで、ほぼ当初の予定を達成することができました。多くの皆様による広報活動、参加者の募集活動などの賜物と感謝致しております。日本接着歯学会学術大会は例年、200名に届くかどうかという状態です。今回は日本からだけでも約600名の参加があり、接着歯学の国内での関心の高まりを裏付けていたかと思います。国際学会としても、接着歯学という内容でこれだけの規模のものはいまだかつてなかったようです。そうした点でも、本会が今後も接着歯学の中心的な存在として、グローバルに活動してゆく責任があることが認識された大会であったと思います。
メインテーマ「Harmony ofEsthetic and Minimum Intervention(審美とMIの調和)のもと、さまざまな企画を計画し、今日の歯科医療こおいては、接着歯学というものがすべての治療につながっていることが、今回参加していただいた方々にはよく理解していただけたものと自負しております。
フロリダ大学のMjor先生には修復物の寿命、二次う蝕、MIのお話、フンボルト大学のRoulet先生には、間接法をも含めて最新の審美修復技法と考え方、中林先生には樹脂含浸層形成の重要性を、それぞれ招待講演としてお話しいただきました。私自身、各方面の世界的権威三者三様の考え方に触れることができ、多くのことを考えさせられました。歯科医学ではよく「Art and Science」という言葉が使われますが、この中には疫学的なことや歯科医療経済学、歯科医療制度も含めて考えてゆかなければ、社会的な貢献ができないのではないかと強く感じました。シンポジウムでは、基礎研究から漂白を含めた審美歯科治療まで、最近の歯科医療のもっともホットな話題がたくさん取り上げられました。私自身最終日の夕方のプログラムまで、大変多くの方が熱心にシンポジウムに参加されていたのには正直驚きました。大会の運営にあたってくださった企業の方からも同様の驚きの声を聞き、大変うれしく思いました。シンポジウムや特別講演を多くの参加者に楽しんでいただけたのは、企業より大きなご援助をいただいたおかげです。
反省点も多くありました。何よりも企業に多大なご負担を強いることになってしまったこと、プログラムに比べて日程に余裕がなかったこと、企業展示やポスター発表をゆっくりと見て回れるような時間がなかったことなどです。第1回ということもあり、どの程度の演題や参加者が集まるのかということが最後まで予測できなかったことが原因のひとつとして考えられますが、そうしたことも考慮したうえで計画を立てることも考えるべきであったかもしれません。多大なご援助をいただきながら、それに十分にお応えすることができなかったことについては、心よりお詫び申し上げます。
無作為にアンケートをとらせていただいたところ、学会全体としては、非常によかったという評価をいただき、是非とも第2回を日本で開催すべしというご希望を沢山いただきました。これを受け、また当初の本会の趣旨のとおり、2005年の第2回開催を日指して動き始めております。企業への援助に頼る割合を極力抑え、無理なく継続できるための第2回大会という基本的な考え方で進んでおります。
第1回大会開催に際しての皆様の多大なるご協力に心より謝意を表しますとともに、第2回大会の成功を目指して、再度皆様のご協力をお願い申し上げる次第です。
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